グループホーム ハスカップ

Posted by mail.ogu.check on 5月 06 2013 | 雑記

当社の社員の平均年齢は61歳。上は私と同年齢の73歳、一番若手が50歳。
パソコン、インターネット、スマートフォン等の機器類はまるでだめという、おばーちゃん、おばちゃんと呼ばれる年齢集団で、耳が遠かったり、トイレが近かったり、忘れ物をしては戻ってきたりと、老人現象の巣窟のような店だ。
然るに、皆がみんな自覚しているせいか、失態を演じても互いにかばい合うので実に和気あいあいとして、暇な日でも笑いが絶えない。
売り子No.1が言うには、「グループホーム ハスカップ」だそうだ。
しゃいん1頼りになる黒一点

グループホーム ハスカップのスタッフを紹介すると先ず黒一点のおじさん。
顔は女形の梅沢富美男似の愛くるしい目鼻立ちなのだけれど、何ンセ自衛隊出身だけあって真面目の上に超がつく堅物で融通がきかない。以前車を先導してもらったら40キロの法定速度で延々と走る。「ハヨ行け」とど突きたくなった。
然し頼りになることこの上ない。在庫管理、発注、加えて賞味期限のうるさいのなんの。こちとらの懐具合もお構いなしで、早く値引きしないと賞味期限が来ますよとせっつく。
おかげで期限切れの問題を起こさず今日まで来ている。会社にとっては無くてはならない存在で、女同士の雑談の折「みんなを首にしても鳥潟さんだけは残ってもらうワ」との話をしたら、本人の耳に届いたらしく「俺断る」とのこと。社長の面目なし。

次に紹介するのは、おじさんの陰に楚々と寄り添っている女性。
「美しい人」とは彼女のような人を指すのだと思う。顔立ちは美人と言えるかどうか評価の分かれるところだけれど、育ちの良さと教養からくる言葉遣いと声のトーンに品がある。
謙虚な人柄の中にユーモアと茶目っけもあってスタッフだけでなくお客様にもファンが多い。
ただ彼女の母親が寝たきりの状態が10数年続いていた。看病のため実家に帰らなければならず月に10日休みを取っていた。
一昨年その母親が亡くなったので「やっと肩の荷を下ろせたわね」と言ったら「頑張って生きてくれました」
魂を突く感動的な言葉が返ってきた。彼女の精神の根幹に触れた気がして、この心根こそ彼女を「美しい人」に見せているのだろうと確信した。

次は、親切が服を着ている人物の岸本様。私達は「マリヤ様」(写真左の右側)と呼んでいる。
このマリヤ様、パンとお菓子作りが趣味でいろいろ作っては「社長召し上がって下さい」と持ってくる。
せっかくの好意はありがたいのだけれど菓子パンの類は苦手でパンは食パンしか食べない。それならと言って体にいい粉を使ったという食パンを作ってくれた。食べたらもそもそして口当たりが悪くて不味い。「体に良くなくてもいいから美味しい方がいいわ」と感想を述べたら目を丸くしていた。
もうこの歳になると体に良かろうが悪かろうが美味しければいい。
さてマリヤ様、人柄は誠実で親切なのは結構なのだけれど、それが売り上げにつながらないことが多々ある。暇つぶしの雑談の相手をしたり、年寄りの愚痴話に相槌を打ったり、聞かれた店にわざわざ案内して行ったりと親切この上ない。買いそうもない客の相手などしないで、さっさと別の客を捕まえれと叫びたくなるが、こちとらの人格を疑われそうなのでこらえている。
然し彼女に接していると心が洗われるので、まあいいかと思いつつ「このドジめ!」

マリヤ様の一人置いて左側の女性。
お客様から「真知子さん」とご指名がかかるほど信頼が厚い。
客に媚びるわけでも、押しつけがましく買わせようとするのでもなく、自然体でお客様に接しているので安心してレジの前で待機していられる。
真知子さん、名前は「君の名は」のヒロインのようにたおやかな女性のイメージなのに本人はビールとファイターズが生きがいと言うオジンレデイ。

ほんわかちゃん売り子No.1
    大黒柱の金子ちゃん               売上NO1嬢 
さて左のこの写真のふくよかを通り越して今にもパンクしそうな女性。金子利恵子。私は金庫チャンと呼んでいる。
これまでたくさんの人間を使ってきたが、経営者の気持ちと同じ土俵で物事を考えて助言してくれる人物は初めてで、私にとっても会社にとってもお助けマン的存在。仕事のできる人間は応々にして角があるが、彼女はおっとりとしていて人を和ませてくれる雰囲気がある。
入社はまだ浅いが、経理のプロとしての顔とおじさんを含め皆から慕われ頼りにされている。いわばハスカップの大黒柱。
パンク体型はアレルギーの薬によるせいとの話で、たしかに手足の細いのに驚く。顔も無邪気で可愛いので、きっとスマートな頃はモテモテだったと思う。
出勤して彼女の顔を見ると、何かほっとして心配ごとも忘れる。

さて最後に登場するのが売上No.1の美女。
彼女ほど「販売」という行為に、熱意を注いでいる人間はそう多くいないのではないかと思う。お客さんの購買意欲を上手にくみ取って財布の紐を緩める。買って頂こうという熱心さが相手にも伝わるせいか、常に売上No.1の地位を守り続けている。
経営者にとってなによりも重要なのは売上で、その意味において、彼女は日々数字を気にかけてくれている。目標額に到達しない時などは「社長、時間を延長しましょう」と言ってくれることもあって、その姿勢に頭が下がる。
それに私を嬉しくさせてくれる一寸とした心遣いに、娘を持つ母親の優しさを感じることがある。
先日もスペインのパエリヤを作って持ってきてくれた。
最初は焦げたとかで一口。2度目はお米が柔らかすぎてリゾット風。
今回で3度目の挑戦。なかなかの見映えで味も間違いなくスペインパエリヤ。
「美味しい」と言ったら「ヤッター」と歓喜の雄叫び。
可愛いのなんの。

空港の店を始めてもう20年が過ぎた。その間、いろんな人間の出入りがあったが、今ほどスタッフ同士のコミュニケーションが和やかで、楽しげなのは無いように思える。

これで売り上げが旧店舗並みに回復してくれたら万々歳!

2013年5月6日

新千歳空港  ハスカップとアイスワインの店

ハスカップ
三ツ野由希子